各タイプ別
~プロに必要な能力~

 プロ志望向けの「自分の特性を考える」「夢を現実的に考える」ための内容になります。基本的に「歌」を前提とした書き方になっています。難しい話だし年齢や学習進度もそれぞれですから、理解できる人・できない人がいるのは承知で書きます。

1夢の持ち方
~理想と現実~

年代別-夢の持ち方のススメ

 夢を持つのは当然いいことですが、身の程を知らなければ長所も課題も見えないので上達や結果に繋がらないし、適性がないのにその道に進ませようとするのは結果的にその人のためになりません。希望がないのにその道に時間やお金を費やしてしまい、本当に適性がある仕事に就く可能性を潰してしまうからです。一般的な日本の教育システムを考えれば、以下のように考えるのをオススメします。

◆小学生
:好きなものをがむしゃらに頑張る!

◆中学生
:その中で自分の得手不得手を知る!

※1回目の進路決定/好きなことを学ぶ
◆高校生
:仕事にする適性があるか判断する。

※2回目の進路決定/職業の適性を意識
◆大学生
:夢以外の仕事を見据えて就活する。

※3回目の進路決定/現実的に判断する
◆社会人
:働きつつまたがむしゃらに頑張る!

2プロタイプ
~能力的プロ・商品的プロ~

そもそもプロとは?

 そもそも「プロ」とはなんでしょう?簡単にいうと「それで生活している人」という考え方が有名です。そうすると「音楽的能力が優れていてお金が貰えるくらいクオリティーの高い演奏・制作ができる人」をプロと呼ぶのはイメージできるでしょう。では「歌はヘタだけど、頑張っているところを応援してもらってお金を貰うアイドル」はどうですか?…例えば熱狂的なフォロワーを持つインフルエンサーがいたとして、その人が音楽を始めてライブをしたら一定数お客さんが入るでしょう。お客さんの中には「その人が発信する音楽を聴きに来る」人もいれば「音楽はどうでもよくてその人自身を見に来ている」人もいる。この意味ではアイドルもインフルエンサーも立派なプロです。でもこういったアイドルは音楽性じゃなくてカリスマ性でお金を貰っているので、僕は前者を「能力的プロ」後者を「商品的プロ」と分けて呼んでいます。

能力的プロ

 歌唱力・作詞作曲等、音楽センス・スキル・知識などが他人より秀でていれば仕事ができる。裏方の仕事には必須な能力。音楽業界一番の技術職は編曲=アレンジ。

商品的プロ

 その人自身の魅力が一番なので必ずしも歌唱力は必要ない。お金になればこれも立派なプロ。カリスマ性・スター性・ルックス・キャラクター・話題性が必要。

3表現タイプ
アーティスト 職業歌手 アイドル

自分はどのタイプ?

 今は歌手をみんなまとめてアーティストと呼んでいますが、言葉本来の意味を考えれば「artist=アートをする人」で「art」は芸術全般を差す言葉です。このことで考えるべきは「音楽なのか美術なのか」ではなく「芸術的であるか商業的であるか」です。表現スタイルのタイプは3つに分けることができます。

①アーティストタイプ

 芸術的/アーティスティックというのは「他人に媚びずに自分がやりたいものを貫き通す表現スタイル」と言えます。自分自身や自分の感覚・価値観を表現することに重きがあり、言わば「売れなくてもやりたいことをやる」姿勢が芸術家気質のアーティストです。

②職業歌手タイプ

 アーティストの反対の意味で使われるのが職人気質の「職業歌手」です。直訳すれば「仕事のために歌う歌手」です。重きは自分の感覚の表現にはなく、「売れるように・求められたように歌う」姿勢と言えます。これが商業的/ビジネスチックなスタイルです。

③アイドルタイプ

 アイドルは大きく分ければ職業歌手に入りますが、「音楽的能力が必ずしも必要にならない」点で特殊です。アイドルのイメージは時代とともに変わりましたが、語源は「idol/崇拝される人」です。音楽に先だって人物に魅力の重きがあると言えます。

どんな活動をしている?

それぞれ3タイプが実際にどんな活動をしてる人かと言うと、

①アーティスト

自分で作詞作曲できるシンガーソングライターのうち、今までにない独創的な世界観・音楽性で勝負している人たち。

②職業歌手

例えばアニソンの楽曲が先にあって、そのイメージに合う歌手が起用される場合、その歌手は「職業歌手」となる。

③アイドル

ルックス・キャラクターで勝負する歌手や、知名度を利用してデビューするタレント・元スポーツ選手・モデルなど。

どんな能力が必要?

それぞれ3タイプにどんな能力が必要になるかというと、

①アーティスト

 自分の感覚を自由に表現するための能力と言えば、まず歌唱力以前に「作詞作曲」能力です。他人から楽曲提供を受けて歌う歌手は、他人の作品・感覚を歌うことになるので、そういう意味では厳密にはアーティストとは呼べないと言えます。自分で作詞作曲できて、尚且つそれが独創的/芸術的である歌手はアーティストです。「独自性・個性のあるセンスと、それを作詞作曲・歌唱で表現できるスキル」が必要です。歌唱力に関しては、世界観の方が大事なので上手さよりも個性が必要です。音楽的に何かの魅力が飛び抜けていればさえ、その他の音楽的な未熟な部分(例えば楽譜が読めない等)や人間的な不器用さは、個性となって現れ受け入れられます。

②職業歌手

 言わば「他人が作った楽曲を歌わせてもらう」立場の職業歌手は、制作側の要求に応えて歌うために「どんな楽曲でも歌いこなす幅広いセンスと、それを的確に素早く表現できる器用なスキル」が必要になります。音域・音色・歌い方の幅の広さ、対応の速さなど、総合的な能力向上のためには楽譜を読めることも関わってきます。直接的な歌い方の指示もあれぱイメージで伝えられることもあるので、それを具現化する能力も必要です。「歌い方が一辺倒で、好き嫌いの激しい人には仕事は来ない、好きな楽曲を歌いたいなら自分で作れるようになれ」と思っていましょう。
 実際には職業歌手でもアーティストっぽい雰囲気を出すように演出されることが多いです。

③アイドル

 アイドルに必要なのは人を惹きつける力です。カリスマ性とも言いますが、「それだけあればいい」といっても言い過ぎではありません。その人自身に魅力があれば、ファンはその人が発信するものなら何でも応援してくれるからです。歌が上手くても売れない人はたくさんいるし、歌が下手でも売れている人はたくさんいます。仕事になるかどうかで言えば、歌の上手さよりもこの能力の方が大事になります。そこで本人の魅力を高めるために、歌が上手くなっていく成長過程を見てもらったり、ファンサービスを磨いたりします。アイドルであってもアーティスティックな表現スタイルや存在感の人もいれば、楽曲自体の表現に徹した職業歌手的なアイドルもいます。

自分はどの魅力・能力を伸ばす?

 この話は分かりやすさのためにそれぞれ極端な例で説明していますが、実際にはグラデーションのようになっていて、どのタイプであろうと、どの能力もある程度必要になります。アーティストは自然とアイドル的な魅力が出るし、アーティストであろうと売れなければ活動できないので商業的な視点が必要になる。職業歌手であっても作品きっかけでその歌手自体が人気となれば、その人はアイドル的な扱いをされることになります。自分が好きな歌手はどのタイプが強くでているのか、自分はどこに魅力があってどこを伸ばせばいいのか、これを参考に考えることができます。

4頭脳タイプ
~感覚派文系脳・理論派理系脳~

自分はどのタイプ?

 これに関してはサイドメニューの別ページをご覧ください。要はどっちも必要です。ですがもともと感覚しか無かったとしてもそれが飛びぬけた「天才」ならば、理論的なアプローチは必ずしも必要ありません。逆に言えば「理論的に練習しなくてもいいくらい最初から上手い」必要があるということです。

5原動力タイプ
~センス=感覚・スキル=技術~

鶏と卵、どちらが先?

 センス=感覚は脳内で生まれるけど、それを見ることはできません。それを目で見たり耳で聴いたり確認するにはスキル=技術が必要です。例えば「自分の脳内で新曲が鳴っているけど、音階やコードの知識が無いから弾けない」=「スキルがないとセンスがどうなってるか分からない」こういう関係性です。
 逆に言えばスキルがあってもセンスがないと聴き手が感動する音楽性を自分で作り込むことはできません。「音階やコードの知識はあるから曲はできたけど、へんちくりんな曲になってしまった」とか、歌の場面で言えば「ハイトーンは練習して上手になったけど、使いどころを間違えているので音楽にハマってない」「表現テクニックは入れているはずなのに表情がぎこちない」などの状態です。

各タイプ別に必要なもの

 スキルを形成するのにもセンスが無いと形にならないのでどちらも必要なんですが、どちらが先かと言われればセンスです。先ほどの例の時に「音階やコードの知識はないけど、音の高さが全部分かるから形にできた」という人もいます。これがセンスが飛びぬけている天才に見られるような特徴です。
 音楽とかの類は「こういう風に歌いたい・こういう風に作りたい」とかそういう初歩的な欲求が無いと何も始まりません。そういう欲求はインスピレーションの根源であり、それもセンスの一つです。ただ、今までの分類と照らし合わせると原動力や主軸になる部分も変わってきます。まとめると次のようになります。職業歌手タイプは「誰かのインスピレーションに応える」スタイルなので、スキルの方が大事と言っていいでしょう。

プロタイプ能力的プロ能力的プロ商品的プロ
表現タイプアーティスト職業歌手アイドル
頭脳タイプ感覚派理論派感覚派
原動力・主軸センススキルセンス(気質)

 アイドルタイプに必要なカリスマ性は、センスというか…そういう「気質」によると思います。センスもスキルは主体が「ものづくり」にあるのに対して、カリスマ性は主体が「本人そのもの」ですので。

6歌だけで良い?
~楽器演奏・作詞作曲~

歌のプロ=音楽のプロ?

 歌手志望の人のほとんどが「歌だけでプロ」になろうとする人ばかりですが、結論から言うと「歌唱力がズバ抜けてる人以外は歌だけではダメ」と断言しておきましょう。「歌でプロになれたとしても、音楽のプロにはなり切れない」場合が多いです。これは「歌は上手いけど、楽器はできない・作詞作曲ができない・音楽理論も分からない」という状態のことですが、こんなようでは「音楽性が広がらない・魅力が増えない・使い捨てられ代替されやすい」状態に陥る可能性が高くなります。

自分の個性を出す方法

 現に今活躍している人気のある人たちは、自分で作詞作曲できる人がほとんどで、歌手である前にミュージシャンでありアーティストです。作詞作曲ができるからこそ自分の個性を出せるし、奥の深い歌が歌えると言ってもいいでしょう。逆に作詞作曲者が他人である「職業歌手」で人気の歌手は、歌唱力が圧倒的か、アイドル的な存在感が個性となっているはずです。作詞作曲の両方ができなくて、片方だけも担当している歌手は、その作風にもよりますがその分アーティスティックな匂いがしているはずです。当てはまる人を思い浮かべてみてください。

「上手い歌」は音楽に教わる

 「うたうこと」は誰に教わることなく幼少期から自然にやっていることなので、ギターやピアノのように練習しなくても「うたう」ことはとりあえず誰にでもできます。誰にでもできることなので、本人が音楽的な良し悪しが分かっていないと「できた・上手く歌えた」と勘違いをしてしまいがちです。音程がズレているのに本人がそれに気が付かなれば、周りの人が感じている不快感をよそに最後まで気持ち良く歌えてしまいます。「うたえる」のは当然で「どんな風に歌えるか」が問題なのです。
 どうやって「上手い歌」にすればいいかは音楽の構造を知ることで自然と見えてきます。「コードがこうなってるから、このフレーズのこの音は緊張感を持たせると良い」とか「ドラムがこのリズムだからこう歌えばいい」とか、それはある程度決まっている「音楽の正解」です。音楽のことを知って友達になれば、味方になってその正解を教えてくれるようになります。その音楽がどういう姿形をしているのかを知るためには「音楽理論を知る」ことが一番の近道です。歌しかやらない人より、楽器演奏・作詞作曲ができる人の方が、良い歌を歌える傾向にあります。楽器演奏・作詞作曲は勉強しないとできないことで、その中で必ず音楽理論に触れることになります。実際に僕の経験談として、生徒さんにする「上手に聴こえるにはどうやって歌えばいいか」の指示は、音楽理論を元にしたインスピレーションが教えてくれています。

7音楽能力
~プロに必要な適性とは?~

 歌で「能力的プロ」を目指す場合、確実に結果を出したいなら以下の能力・適性が必要です。

1. 楽器である「声」が歌で使える状態であること。
(発声学的に良い声である必要はなく、個性があればいい。)
2. リズム感・音感が一定レベル以上であること。
3. 音楽の感じ方と実際の表現が一定レベル以上であること。
4. 歌詞の感じ方と実際の表現が一定レベル以上であること。
5. 音楽理論に興味があって一定レベル以上分かること。
6. 作詞作曲楽器演奏が完璧じゃなくとも形になること。
7. 練習・録音・作品化・発信が速くできること。
8. 練習を努力だと思わないくらい音楽に時間を割けること。
9. SNS社会の流れに敏感で行動に移せること。
10. 活動中何か良くないことがあっても諦めないメンタル

 どれかが欠けてると、何かにつけて時間がかかって目標達成は遅くなり、目の前のチャンスは「才能があって努力もしている人」に回ってしまいます。これらが全部できてる必要があるのかというと、必ずしも要らないものもありますが、何かが欠けていても許されるのは、既に「ずば抜けて歌が上手い」既に「作る曲が名作」既に「カリスマ性が溢れている」など、何かが偏って秀でている天才型の人だけです。普通の人は、上の条件が揃っていないと成長も行動できず、芽が出ずに終わりになることがほとんどです。ですので僕が無償で協力する「プロデュース」する人材は総合的に見てこれらが揃っている「プロになれる見込みがある」人に限ります。これはオーディションでもどこでも基本的には同じです。

8今の時代に必要なこと

~SNS戦略~

 今は事務所に入らずに活動する歌手も増えました。SNSでバズればさえ音楽で収入を得る仕組みが整っているからです。SNSは誰でも制約なく発信できますから、誰にでも同じように発信の機会は与えられています。発信のチャンスは平等です。でもこのバズるのが難しい。よほどコンテンツのクオリティが高いか、よほど新しいか、よほど面白いか、よほど衝撃的か、要はよっぽど話題性がないと大量の情報に埋もれて見向きもされません。更にネットの情報網の流れに上手く乗ったり、とタイミングの運もあります。

可能性を生む行動を

 こういう現状の中で少しでも可能性を上げるには、良いコンテンツを作って地道にファンを増やしていくしかありません。ここで「良質なコンテンツをコンスタントに発信できるか?」という問題が出てきます。定期的にコンテンツを発信できなければ、どんどん忘れられてしまいます。…のんびりするのが好きだからと、テレビやYoutubeばかり見て過ごしていたらどうなりますか?…リズムやピッチが悪く、練習・修正に時間がかかったらどうなりますか?…毎回同じような歌ばかり歌って、成長や新しい面が見えないとどうなりますか?…SNSが得意じゃないからと、反応率1000枚に1人のチラシで印刷費もかけて宣伝するつもりですか?…結局は「7、音楽能力・適性とは?」で説明した能力が総合的に揃っていないと、展望のある活動になりません。
 大手の事務所でも、今では結局「バズっているか・SNS上にファンがいるか」が重要な判断ポイントの一つになっています。「発信機会は平等だけど、発信能力は平等じゃない。ので、自分に足りない能力を理解して実際にSNSで動けるかどうか」が今の時代には必要です。

9結論:歌手になるには?

 音楽で生活をするプロを目標にするならば、「自分の音楽・歌にお金を払ってくれるファンを作っていく」行動をしましょう。事務所やレコード会社はボランティアでデビューさせてくれません。自分の歌を発表するまでに関わってくれたスタッフの給料は、自分の歌の成績によって支払われることになるのです。仕事にするには「お金になるかどうか」これが一番重要です。歌や音楽的能力で勝負していくか、アイドル的存在・インフルエンサーとして勝負していくか、どちらかが秀でていて誰かがお金を払ってくれる存在になることができればプロになれます。

t0mozoお勧めのスタンス

 すると結果的にこの条件に当てはまるのは極々限られた人になります。残念ながら夢ばかり見ているプロ志望のほとんどの人が、考えが甘く身の程知らずで、プロになれるだけの適性をまだ持っていない状態です。ですので、僕が大多数の人にオススメする活動の方法は「生涯音楽として他に仕事をしながら音楽活動をしてチャンスを伺う」スタンスになります。
 t0mozoによるフルプロデュースは、基本的に以上の内容を理解できる人のみサポートします。僕は良いことばかり言って夢を見させてレッスン料を搾取することはしません。むしろ「ほとんどの人が適性がないので現実的に考えながら行動しましょう」といつも言っています。その上で可能性を追える人を求めています。今適性が全部揃っていなくても、複数人で協力して穴を埋めれば可能性は出てきます。プロデュース活動を希望の人・興味がある人は、体験レッスンの申し込みフォームにチェック項目がありますのでチェックを入れてください。それを踏まえてレッスンしていきます:)